【事態は】トラストレンディングに対し二度目の行政処分勧告【かなり深刻】

こんにちは。中年リール(@mez2fln)です。

またもやソーシャルレンディング業界の残念なお知らせです。

昨年の12月に行政処分(業務停止命令)を受けたトラストレンディングが、またしても行政処分勧告を受けました。

予め申しておきますと、今回の内容は

とてつもなく深刻です。

※3月9日追記:3月8日(金)、関東財務局から行政処分の内容が発表され、エーアイトラストは第二種金融商品取引業の登録が取り消しとなりました。詳細は以下の記事でまとめています。





はじめに:トラストレンディングとは?

トラストレンディングとは、エーアイトラスト株式会社が運営するソーシャルレンディング・サービスです。案件は主に公共事業に関連したファンドであること、利回りについては10%以上のものが多いことが特徴です。

ソーシャルレンディングサービスは2015年10月から開始しています。また、2017年9月に『トラストファイナンス』から『エーアイトラスト』に商号を変更しています。

参考:エーアイトラスト 会社沿革・財務

前回:2018年12月に行政処分を受けました

2018年12月14日、債権担保付ローンファンド、動産担保付ローンファンドについて、ファンドの取得勧誘に関して虚偽の表示をする行為があったとして、行政処分(業務停止命令&業務改善命令)が下りました。

以下は、指摘内容の抜粋です。

引用:(1) 債権担保付ローンファンドについて

スキーム図において、復興庁や環境省等の名称を用いて、あたかも官公庁等が関与して行う除染事業の支援業務を行う目的で、本債権ファンドで集められた資金が貸付けられるかのような表示をしている。 しかしながら、該当する官公庁等が関与して行う除染事業は存在せず、このため、本債権ファンド借入人に対しては、上記の取得勧誘時の表示のような、官公庁等が関与して行う除染事業の存在及び実行を前提とした資金使途のための貸付けは当初から行われていない。
このように、当社は、本債権ファンドの取得勧誘に関して、虚偽の表示を行っていたものと認められる。

引用:(2)動産担保付ローンファンドについて

スキーム図において、当該大手企業との業務提携等が予定されている旨を記載するなど、あたかも本動産ファンド借入人において、実証実験終了後に、当該大手企業との業務提携等が予定され、これにより得られた収益を原資として返済が行われるかのような表示をしている。 しかしながら、実際には当該大手企業との業務提携等の予定は存在せず、このため、本動産ファンド借入人に対しては、当初から、上記の取得勧誘時の表示のような、当該大手企業との業務提携や、当該業務提携に係る事業による収益が返済原資となることなどを前提とした貸付けは行われていない。 このように、当社は、本動産ファンドの取得勧誘に関して、虚偽の表示を行っていたものと認められる。

今回:2019年2月22日に新たに行政処分を受けました。その内容は??

以下、証券取引委員会の指摘内容です。そもそも2度目ってなんなの?という話ですが、以下に詳細は記載してあります。

少し長いのでまとめると、今回は”3点”の追加指摘があります。引用部はそれぞれ指摘事項のポイントとなる個所です。

1.『高速道路事業を貸付対象事業とするファンド』、『公共事業に係るコンサルティング業務を貸付対象事業とするファンド』に関して、ファンドの取得勧誘に関し、虚偽表示を行っていたという指摘

引用:〇 高速道路事業を貸付対象事業とするファンドについて

各JVが元請負会社に発注し、本借入人Aは当該元請負会社から「新東名高速道路高取山トンネル西工事」、「新東名高速道路川西工事」、「新東名高速道路高松工事」、「東京外かく環状道路本線トンネル大泉南工事」の発注を受けているかのような表示をしている。
しかしながら、上記の各工事について、各JVから元請負会社を経由して本借入人Aが発注を受けた事実はなく、このため、本借入人Aに対しては、上記の取得勧誘時の表示のような、高速道路関係の工事受注を前提とした資金使途のための貸付けは当初から行われていない。

 

引用:〇 公共事業に係るコンサルティング業務を貸付対象事業とするファンドについて

「依頼元事業者」は本借入人Aであり、除染事業における事業統括会社と同一事業者である。
しかしながら、高速道路事業については本借入人Aにおいて工事受注がされていないこと、除染事業については事業自体が存在しないことが検査において認められている。
このため、本借入人Bに対しては、上記の取得勧誘時の表示のような、公共事業プロジェクトに対するコンサルティング業務等の実施を前提とした資金使途のための貸付けは当初から行われていない。

2.『燃料卸売事業者ローンファンド』に関して、ファンドの取得勧誘に関し、重要な事項につき誤解を生じさせるような表示を行っていたという指摘

引用:(2)ファンドの取得勧誘に関し、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

本事業に係る初年度売上について、上記のとおり「30億円をボトムラインとして」と記載しているところ、これについては何ら根拠の無いものであり、工事の実施状況等にかかわらず、最低でも30億円の売上が予定されているかのような誤解を生ぜしめるべき表示となっている。

3.少なくとも15億8千万円がエーアイトラストの(元)取締役 山本幸雄氏が実質的に支配する法人へ流出、エーアイトラスト側も資金管理もファンドの貸付先のモニタリングも行っていなかった、という管理上の指摘

引用:(3)当社の管理上の問題点及びファンド資金が流出している状況

当社は、各ファンドについて貸付実行後のモニタリング等を行っておらず、貸付金がウェブサイトに表示した資金使途どおりに使用されているかについて十分な確認を行っていなかった。その結果、平成29年2月から同30年11月までの募集総額約52億円(既に運用が終了しているものを除く。)のうち、少なくとも約15億8千万円が、各ファンドの案件紹介等に中心的な役割を果たしていた山本幸雄取締役(平成30年10月当社取締役就任)が実質的に支配する法人に流出していた。

誤表記についてはさらにファンドが追加となり、誤表記とは事実を確認した結果、実態のない工事に対する貸付ということがわかりました。尚、借入人Aを対象とする高速道路事業のローンファンドについては、エーアイトラスト側としては金を騙し取られた旨の説明があり、後述する損害賠償請求訴訟がされています。
3点目は会社内部の問題で、簡単に言うと、この元取締役の方の不正行為のようで、それに対して他の社内の方も看過していたようです(後述しますが取締役になったのはファンドの組成後の話です)。『少なくとも』とあるので、まだ増える可能性もあります。これに対して、エーアイトラスト株式会社から、いくつかの情報が発信されており、以下に続きます。




行政処分を受けてトラストレンディング側の報告内容

会社側から発信された内容についてです。行政処分勧告の同日、エーアイトラストのHP上では以下の三つのお知らせが掲載されました。

1.証券取引等監視委員会による勧告について
2.損害賠償等請求訴訟の提起に関するお知らせ
3.役員の異動に関するお知らせ

エーアイトラストも被害に遭う。金を騙し取られ、訴訟へ。

対象ファンド:債権担保付ローンファンド(105 号~111 号,113 号~119 号,122 号~124 号、127 号,128 号,131 号~138 号) 、Trust Lending セレクトファンド(120 号,121 号,125 号,126 号,129 号,130 号)

事実確認をした結果、架空の発注によってありもしない工事をでっちあげ、貸付先及び、貸付先の元請会社が手を組んで金を騙し取った、という旨が書かれています。悪質です。

引用:損害賠償等請求訴訟の提起に関するお知らせ

しかしながら、実際には元請負会社が大手建設会社JVから受注していた現場は、 本件工事のうち高取山トンネル西工事及び川西工事の2現場のみであり、高松工事 及び大泉南工事については受注しておりませんでした。さらに、元請負会社から本件貸付先への発注については、元請負会社が大手建 設会社JVから正式受注している、高取山トンネル西工事及び川西工事においても発 注されておりませんでした。

このように、被告らは共謀の上、元請負会社から本件貸付先への架空発注を基に、 当社を工事現場に案内したり、工事請負契約書や債権譲渡承諾書等にそれぞれ判 を押すなどして該当ファンド等から貸付金を騙取しております

尚、この案件はエーアイトラストも6800万円の貸付を行っていたことから、被害を受けており、損害賠償請求訴訟に踏み切ったとのこと。

本件訴訟では、被告らに対し、共同不法行為に基づく損害賠償請求として連帯して 金 16 億 4,000 万円(当社自己貸付金 6,800 万円の劣後分を含む。)及びこれに対する 本件訴状送達の日から支払い済みまで、年 5 分の割合による遅延損害金の支払いを求 めております。

この報告を信用する限り、元本回収に関しては、トラストレンディングも『被害者』というスタンスのため、投資家と同じ方向を向いていると言えます。

元取締役の山本幸雄氏を解任

エーアイトラストの元役員であり、今回の問題の中心人物です。以下、お知らせからポイントとなる記載箇所を抜粋します。

引用:役員の異動に関するお知らせ

山本幸雄氏(以下、「山本氏」といいます。)については、当社のソーシャルレンディング事業に関し、 今般、当社に対して実施された証券取引等監視委員会による検査により判明した事実、及び当該事 実をきっかけに当社が調査を行った結果、以下の事実を確認したため、取締役を解任いたしました。

・山本氏が当社へ紹介したファンド貸付先から、山本氏自らが実質的に支配する法人へ、少なくとも約 15 億 8 千万円のファンド貸付金が流出している事実

今後、当社は、山本氏への聴取等により本件の解明を行うとともに、専門家へ相談のもと、山本氏 及び同氏が実質的に支配する法人に対する法的措置を検討してまいります

引用:証券取引等監視委員会による勧告について

平成 30 年 12 月 7 日付、証券取引等監視委員会の当社に対する行政処分勧告のファンド(除染及び IoT)に加え、上記(1)乃至(3)のファンドは、いずれも山本氏からの紹介案件すが、(なお、当社が山本氏から当該案件の紹介を受けた時期は、同氏が当社取締役へ就任した平成 30 年 10 月 5 日以前です。)

山本氏は、貸付金を騙し取った会社の紹介者となりますが、今後法的措置を検討するとのこと。

この山本氏は、上記に記載もあるように2018年10月5日に取締役に就任し、2019年2月22日に解任されています。 タイミング的には役員になったのは割と最近のことで、ファンドは取締役になる以前に組成されたものがほとんどです。取締役ではない頃は、どういうスタンスだったのか、これまでの経歴などには触れられていません。

尚、この山本幸雄氏は何故かエーアイトラストの異動通知のお知らせにも、役員の一覧にも名前が載っていません(今は消されていますが、行政処分以前はエーアイトラストの会社概要ページには役員一覧に官公庁出身の方々がずらりと並んでいました。その中に山本氏の名前はありません)。

『山本幸雄』という名前で検索するといくつかの暗い記事が見つかります。山本幸雄という同姓同名の方がこの世に何人もいる可能性はありますが、もしかすると以下に書かれている方と同一なのでしょうか(もしここに記載されている方と別人でしたら、キッパリ違うとエーアイトラスト側からも否定していただければよいのですが…)。

http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=3264

http://k-10.jugem.jp/?cid=47

HPに掲載しなかった意図は不明ですが、もし仮にエーアイトラストが不都合になる事実としてこの人物を隠していたのであれば、今後の対応や報告内容については少し疑いの目を持たざるを得ません。また、山本氏以外に具体的な名前は挙がっていませんのでトラストレンディング内部でどのような動きがあったのかも不明です。今後聴取を行うとありますが、まだ隠し玉があるのではないか、という可能性も少し考えてしまいます。



投資家の出資したお金はどうなるのか?

今回、指摘で挙がったファンドは以下の三つです。

  1. 高速道路工事請負代金債権担保ローンファンド (※1)
  2. 公共事業コンサルティング債権担保付ローンファンド (※2)
  3. 燃料売掛債権担保ローンファンド

※1.債権担保付ローンファンド 105 号~111 号、113 号~119 号、122 号~124 号、127 号、 128 号、131 号~138 号及び Trust Lending セレクトファンド(当社との共同融資)120 号、 121号、125号、126号、129 号、130号
※2.Trust Lendingセレクトファンド147 号~154号

2と3のファンドについては誤表示の問題であり、特に訴訟や支払い遅延に関する言及は見られません(今後どうなるかわかりませんが)。今の所、具体的に問題なのは損害賠償請求を起こしたと言っている、1の高速道路のファンドの分です。

合計15億8千万(エーアイトラスト分含めて16 億 4千万円)については、投資元本の返済原資を損害賠償請求による支払いに期待せざるを得なくなりました。

本件訴訟の提起は、被告らに該当ファンド貸付金の全額返還を求め、回収した資 金を出資者の皆様へ返還することを目的としており、出資者の皆様の利益の最大化 を実現することを第一に検討して決定致しましたこと、ご理解賜りたく何卒宜しくお願 い申し上げます。

尚、トラストレンディングが毎日新聞に対して以下のような回答をしています。

同社は「(指摘を受けた基金は)利益金の分配や元本償還が行えなくなる状況が予想される。多大な心配と迷惑を掛け、深くおわび申し上げる」とコメントを発表した。

トラストレンディングの説明からすると、詐欺に遭った事案のようですので、訴訟によってどこまで取り返せるのか、かなり厳しいことになるのかもしれません。

ガバナンスはどこへ行ったのか?

(少し愚痴になりますが、)トラストレンディングというと過去に他社の行政処分を受けて以下のようなメッセージを発信しています。これは一体何だったのでしょう?

2018/5/11 コーポレート・ガバナンスの強化について「役員の異動」及び「取締役会及び監査役設置会社への移行」に関するお知らせ

2.取締役会及び監査役設置会社への移行

(1)移行の理由
当社は、本業である総合金融コンサルタント事業者として長期的に企業価値を最大化するためには、内部統制だけでなく、不正行為を防止し、生産性を向上させ、あらゆるステークホルダーに対して企業の社会的責任を全うすることが重要であると考えています。 こうした企業経営の根幹を持続させるべく、この度、業務執行の意思決定等を行う取締役会と当該業務執行を監査する監査役の設置を行うことといたしました。これにより商法上の原則である「所有と経営の分離」を実現し、コーポレート・ガバナンスを強化してまいります

↑のお知らせは一体なんだったのでしょうか。

何も管理していなかった、と言われてもしょうがないでしょう。

トラストレンディングHP上に掲載されているPDFファイルからコピペができない方へ

#本題から少し話が逸れます。

トラストレンディングHP上にアップされているお知らせ内のPDFファイルから、Adobeリーダーなどで開いてテキストのコピペ(コピーアンドペースト)をすると文字化けして文字が引用できない方はいますでしょうか。

こちらの解決方法について『サラリーマン研修者 クロノの投資ブログ』の管理人クロノさん(@chrono_investor)からTwitter上で大変簡単な方法を教えていただきました(ありがとうございます!)。

以下の手順を行うことで簡単に解決します。

  1. Googleドライブにファイルをアップロードして、
  2. Googleドライブ上でPDFファイルを開く
  3. ”Googleドキュメントで開く”ボタンを押して開いたファイルからコピーアンドペースト

尚、クロノさんのブログ内でもトラストレンディングの今回の問題についてわかりやすく解説がされています。こちらもご紹介させていただきます。

トラストレンディングに対する私の投資状況

参考までに本記事を書いている私の投資状況です。

以下の2案件で合計40万円投資しています。

案件名 金額
船舶担保付ローンファンド 20万円
燃料卸売事業者ローンファンド 20万円

燃料卸売事業者ファンドについては誤表記の問題で指摘を受けているのが該当します。今の所遅延の話はありませんが、今後どうなるかはわかりません。

上記案件の運用期間はどちらも残り19か月近くあります。

投資元本が返ってくるかは、エーアイトラストという会社が今後正常に機能するかにかかっています。

おわりに

昨年末の時点では誤表記の問題なのかと軽く見ていた節はあるのですが、エーアイトラストの中の管理がダメダメというのがわかり、しかも詐欺で金をだまし取られたという今回の報告、今回の処分で存在が明らかになった取締役の解任。

もう報告内容を見た時と、本記事を書いていた時は、正直吐き気がしてしまいました。

中の人(運営側)がたった一人でも悪さしては、どうしようもありません。


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1件のコメント

  1. 記事拝見しました。
    一人で悪さしているとはとても思えません。
    組織的な臭気がプンプン吐き気がしそうになるほ漂っています。

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